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ホロスコープリーディング

ホロスープリーディングに登場していただく第1号は、主婦料理界の巨匠、栗原はるみさんを取り上げます。

夫を愛し、仕え、パワフルに仕事もこなし納税額が数億円なのに、変わらない謙虚さと平凡さ。普通が一番むずかしいのに、こまの普通を粛々淡々とこなし続けるスタンスは、土星の継続力の王道でもあるでしょう。

私が絶対に真似できない良妻の鏡、という個人的な興味もあります。


まず最初に、こちらのオンラインスペースにて、ホロスコープライターと登場していただく小桜えりさんによるリーティングからお届けします。

リーディングライター
小桜えり

一時期、書店でパート勤めをしていたことがある。

その時、飛ぶように売れていたのが栗原はるみさんの『ごちそうさまが ききたくて』と、その続刊。あまりに売れるので、新米主婦だった私もつられて買った。そこには、家族への愛情がたっぷりこめられたレシピがずらり。ほかの料理本とは一線を画していた。


太陽は魚座。献身的な愛情を注ぐサインと言われるが、その一方で依存しやすくもある。実際、本人も語っていたが、専業主婦だった彼女が帰りの遅い夫を待つだけの日々を送っていたことに対し、夫から「自分の帰りを待つだけの女でいてほしくない、自分がやりたいことを見つけてほしい。」と言われたそうだ。彼女は精一杯尽くしていたつもりでも、夫にしてみれば依存される重苦しさのように感じられたのかもしれない。

彼女の月は獅子座で、本来自分を表現することに喜びを感じる、もっと言えば人一倍目立ちたがる気質の持ち主だが、その性質を抑える土星が同じサインにあるため、表に出ようなどとは思わなかったようだ。

それが、夫の言葉に後押しされ、土星と向かい合う金星に表される自分の資質を伸ばしたことで、元来備わっていた自分を表現したい欲求を強く叶えていくこととなったのだろう。

月は、大きな変容を促す冥王星と近く、太陽とはインコンジャンクトの関係にある。

このアスペクトは、まったく共通する要素がなく、相容れない関係なのであるが、それゆえに、うまく扱えれば最強のパワーを発揮する。このホロスコープで、月を妻とし、太陽を夫と読めば、妻が料理研究家として表舞台に立った途端、夫はテレビの世界から身を引き、妻をサポートする側にまわり、結果的にそれが大きな成功につながった。

ごく普通の主婦だった彼女は、年間400ものレシピを考案する人気料理研究家へと華麗なる転身を遂げ、60歳から英語を学んで「きゅうりと醤油で世界征服」と語るまでになった。

昨年の夏、最愛の夫が肺がんで逝き、はるみさんは抜け殻のようになったという。食べられず、泣いてばかりで体重が5キロも減った。

息子から「おやじに依存していたんだね。」と言われ、ハッとしたという。バリバリ仕事をして、すっかり自立したつもりでいたのに、と。

その依存も自分で認め、懸命に悲しみから這い上がろうとし、今とこれからを見据えている。夫亡き今、今度は一人で太陽と月のインコンジャンクトを扱うようになるのだろうか。

72歳には全く見えないピュアでナチュラルな輝きを、いつまでも放ち続けてほしい。太陽魚座のお手本のような女性だと、同じく魚座生まれの私は憧れるのである。


動画でリーディング解説

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