6/7初版、第1章の追記です。
本著ではページ数により詳細を書けなかったので、ブログや講座でお伝えしていきます。
今回は「チューニング」について。
(補足シリーズは転載禁止です)
チューニングとは
ホロスコープに示されているのは、私の持ち駒(星)と可能性です。
示されているからといって、その作用を本人が扱えているかどうかというのは別の話です。人生体験を通して一つずつ星を獲得し、その上でホロスコープに示されている可能性の実現の有無が決まってくるものでしょう。昔のリーディングは、このような性格だから、今後はこのような展開になっていくだろうという読み方がポピュラーでした。でも私たちは、そんな単純な生き方を選択するでしょうか? 自由に選択でき、どのような生き方もその人のスタイルと認められつつある今、そんな単一な人生を私たちは送るのでしょうか?
ホロスコープには可能性が示されていると同時に、自分の弱点も示されています。それはスクエアだけとは限りません。トラインで現状維持を好み、変更したくても恵まれているが故に取り組めない、そんな苦痛もあるのです。チューニング占星術では、基礎的なことを書き記すに留まりチューニング法を詳しくは書けませんでした。チューニングに至るまでのプロセスを今回は順番に記していきたいと思います。
人生の前半は苦悩続き
人生の前半は、初めての出会いの連続です。
なのでどれもが新鮮で鮮明で、インパクト強い印象を持つものでしょう。星も同じくです。第一章「天体は私の意識」とあるように、それぞれの星の年齢域によって、星を通して体験し意識ベースを作っていきます。ただ、初体験のときは余裕もないので、どちらかというと制御不能なのであまりよろしくない体験となります。その体験によって私たちは自分を顧みて反省し、これまでとは違った生き方はできないだろうかと、星の使い方を試行錯誤しながらホロスコープを指標に歩んでいきます。
ある程度の年齢になると、出会いはそう多くないことを実感されると思います。(木星の年齢域頃)自分の人生に深く関わる人たちはせいぜい片手程度だし、社会活動によって関わる人が増えたり減ったりしていくだけのこと。一般の生活をしている限り右肩上がりにどんどん関わる人は増えていくことはないし、もしもあるとしたら月が分裂し精神的にも肉体的にも支障をきたすでしょう。
暦や星が示す新たな始まりとは、新しく出会う他者や場所によってもたらされるのではなく、進化の道である螺旋階段を登っていく私、精神性が上書きされた世界を新しい目で眺められる私によってでしょう。私たちに与えられたコマ(星)は限定されていて、コマを使うことでの無限性はあります。与えられたコマをどう使うかだけで、どこまでいっても出会うのは自分とだけです。他者を通して、今の自分と出会います。
私の太陽を生きる
太陽サインは、性格を示しているのではありません。
内的に動く、月、水星、金星、火星を統合したものが太陽です。この4つをまとめたのが太陽、社会のペルソナでもあり、在りたい私像。言い換えると、その人の太陽の中身は、月と水星と金星、火星で作られているということです。個々がバラバラに動いているように見えても、全て連動しています。正確には火星は、内的と外的の両方の動きをします。私の世界を外の世界へと道筋をつけるのが火星。私も思い(月)を外に表現するのは水星です。
木星と土星は社会天体なので、ある程度の社会体験(子育てや結婚生活を含む)を経過した年数が必要になります。でないと社会で通用するモラルは育たず、理想論や正義ばかりを唱える温かみに欠けた権威主義に陥りやすいでしょう。この社会における精神性を含めた太陽を統合するのが土星です。
トランスサタニアンは、社会の大きな流れの中での個人感覚、スピリチュリティ、冥王星は月と通じていて肉体の死ばかりでなく、精神の生死も司り魂レベルでの生きる力を与えてくれています。
周波数。自分ゼロ
上記の星によって感情、思考、精神体がつくられ、私の波動となる周波数が決まっていきます。この周波数とは、流動的で一定はしていません。瞬時に変わっていくものと、変わらないものとの幾重にもの層によって成り立っています。文字で書くと難しく感じるかもしれませんが、私たちは人と会話していも単純に言葉だけを交わしているのではなく、それ以外の相手から放つ多くの情報を同時に読み取っています。これは相手の気持ちを裏読みする感覚とは違うし、自分の好嫌い感情や思い込みが入っていると読みは大抵は外れるでしょう。これだと相手のことを語っているつもりでも、結局は自分を伝えているだけです。
ホロスコープに示されている象徴を、正確に読めたとします。これは患者の顔を見ずにPC画面竹を見て話す医者のように、そこには生身の人間が介在していないことになります。象徴の意味だけを繋げて読むのは、そういった内容に等しいものでしょう。相手の周波数と繋がらないと、生を伴った場は生まれません。動いていないのです。
また私たちは相手を見るとき、前回の印象の続きのまま、私情を通して眺めることがほとんどです。嫌いな印象を持っていると、嫌いというフィルターを通して見るようなものでしょう。会わない間に相手がどのような体験をしてるかは、こちら側にはわかりません。感情、思考、精神体が合わさった周波数がどうか、毎回リセットしてこちらが自分ゼロのフラットに眺めないとありのままを知ることはできないでしょう。これはアカシックリーディングと同じ要領です。
風の時代は意識の時代
思考ではなく体で覚えたことは忘れないように、続けているとチューニングは自然とできるようになります。
基礎的な意味、占星術ロジックを知っていることが大前提になりますが(勝手解釈しないために)、リーディングをどうまとめて伝えるかはこちら側の統合力にかかっています。この時に相手の周波数を感じ取りチューニングしていると、伝えるべき内容や押さえるべきポイント、または未来から訪れるフィーリングや直感が訪れて、その人にふさわしいその人だけの星のギフトのプレゼント、詠み方ができるようになります。
これが風の時代に相応しい流動的で、かつ変化に敏感に対応できるリーディングではないでしょうか。意味だけを連ねるのは、AIに任せておけばいいのです。風の時代は意識の時代。男性的でもなければ女性的でもない、両性の水星力にかかってくるのだから、フラットにフラットに。周波数が変化し続けるように、私たちも柔軟に柔軟に。昨日と今日の考え方が変わってしまうような、社会現象も当たり前に起きてくるでしょう。変化が目覚ましい時代なのだから2年先以降の未来予知など当たるはずもなく、常に今の意識から詠み解いていく作業が必要とされるでしょう。