本日がお誕生日の方
おめでとうございます。
11/28魚座上弦月をお届けします。

岩の上に横たわっている十字架
月サビアン
「岩の上に横たわっている十字架」
孤独の中で天啓を受ける度数です。
何の予告もなく、いきなり戦場に放り込まれ、戦いを強いられるような状況設定がなされています。つまり、これまで安定していた場所から、不意打ちのように境界線を破られるということです。魚座らしく神秘世界に例えるなら、ふだんは静かに一人、神前に参り祝詞をあげている人が、ある日突然、神から啓示が降りるような体験に近いでしょう。予期せぬかたちで「聖なる呼びかけ」の境界線が破られる度数です。
月のアスペクト
魚座の月は、11ハウス手前
これまでの社会生活に一度区切りをつけ、これからは自分自身のスタイルで社会とつながろうとします。
メジャーアスペクトは、オーブ広めの7ハウス火星とのみ。「やる気はあるが、成り行きまかせ」それも魚座的にふんわりと「願い」をやさしく抱えたままで、これからの働き方をと想像しても、まだ現実は程遠い。これまでの仕事や習慣を優先させながら、思いだけは抱く月です。
ドアをノックするキューピッド
太陽サビアン
「ドアをノックするキューピッド」
フェアプレーの限界を知る度数です。
射手座的な団体競技で例えるなら、自分の力が弱い時は、仲間の存在が心強い。けれど、さらに先へ進もうとした時に、その団体の心強さがが足かせに変わります。なぜなら、個々の力は本来バラバラで、それをまとめながら向上していくには全員の面倒を見る必要が生まれるからです。
火は単独行動が得意で、団体でも先頭を走るポジション取りをするため、面倒を見続けるのは苦手なのです。
ここでキューピッドは、仲間の輪から抜け出し、自分の意志の扉をノックする存在として描かれています。
太陽アスペクト
太陽は7ハウス
メジャーアスペクトは月のみです。
アスペクトが少ないのは、つながりを頼りにできない不安定さも伴います。なので、この「キューピッドのノック」は、かすかで頼りない。太陽・月ともにミュータブルサイン(変動宮)で状況への適応力は高いものの、7ハウスゆえに、環境や評価に振り回されやすく、ノック音はかき消されてしまいやすいでしょう。
月のサビアンが示すように、皆と一緒に、ではなく、一人孤独にならない限り境界線を破っていけないのかもしれません。
チャートルーラ
今回の魚座下弦月では、蠍座の金星になります。金星サビアンは「行進している軍楽隊」プロパガンダ度数です。
自分なりの哲学が完成し、実生活で成果が上がると、その確信とともに他者へ勧めたくなる強い思いが生まれます。プロパガンダカラーが強まる度数ですが、ここで重要なのは「発信する側が依存していないか」を見抜くことです。気づけないまま突き進むと押し付けだけが強くなり、何を手に入れても蠍座が欲する強い実感には届かず、空虚だけが残るでしょう。
さらに蠍座金星は6ハウスに位置し、多くの人々に役立つことに専念する金星ですが、労働の割には報われることは少ない配置です。日々の仕事や生活習慣が強く作用するため、成果と執着の見極めが鍵になります。
私的考察
魚座下弦の月は、これまでの延長では届かない未来へ静かに線を引き直す時間です。それは孤独なることであり、思いがけない境遇もそのまま受け入れることによってしか啓示を受け取ることはできないようです。
ここで分けて考えたいのは、「一人時間」と「孤独」は違うということです。
「一人時間」は、自ら好んで選択することであり、7ハウス的な交流を自ら断つのに対して、「孤独」は、求めているのに誰もそばにいてくれない状態です。これを心細い、寂しいと感じる人もいるけれど、自立していれば、むしろ清々しいとしか感じないものでしょう。この孤独時間を過ごすことでしか、宇宙とは向き合えず、またキューピットのノック音も聞こえないのです。
宇宙が語りかけてくるのは常に断片的で「あとは自分で考えて辿り着きなさい」です。細かな説明などありません。
蠍座の金星は、成果の裏に潜む「依存と執着」を容赦なく照らします。何かを成し遂げたときほど、人はそれを他者に伝えたくなるけれど、自信と同じ速度で慢心も育ちます。金星から問われているのは、「誰のために、それを続けるのか」本当に相手のためなのか、それとも自分の力をつけるためなのか。
手放すべき役割は静かに外へ
守るべき信念は内側へ
社会的な立ち位置よりも
自分の精神がどこに立っているか
その一点が、次の満月で形となって見せてくれるでしょう。
それでは豊な、孤独な魚座上弦月をお過ごしください。次回は12/3牡羊座の満月に!


